[現金以外の決済の全体像]
現金で支払う以外にはどのような決済方法があるのか。
昨今は、交通系ICカード/電子マネー/QRコード決済/プラットフォーム決済 など様々な支払い方法があり、複雑になっています。
しかし、ベースとなるのは「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード」です。
まずはこれらがどういうものなのかというのを理解することが大事です。これを理解すると、全体像が理解しやすいです。
[クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード とは何か 関係性]
【意味】
クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード
これらは英語の意味そのままです。
・クレジットカード = Credit Card
※「Credit = 信用」
意訳すると"信用のカード"です。日本語で分かりやすく表現すると、"後払いカード"です。
・デビットカード = Debit Card
※「Debit = 引き落とし」
意訳すると"引き落としのカード"です。日本語で分かりやすく表現すると、"即時引き落としカード"です。
・プリペイドカード=Prepaid Card
※「Pre = 事前に、Paid = 支払われた」
意訳すると"事前に支払われたカード"です。日本語で分かりやすく表現すると、"前払いカード"です。
用語を覚えるのではなく、イメージで考えるようにすると良いです。
【具体的な利用イメージ】
- ・クレジットカード
利用した支払いの請求が来月に行われます。細かくは"締め日"と"請求日"に分けられます。締め日は計算期間の締め切りです。
例)月末締めで請求日が20日の場合:今月の1日~最終日までに使った金額が来月の20日にまとめて請求されます。 - ・デビットカード
利用した瞬間に、紐づけている銀行口座から引き落とされます。その場で支払いが完了するので、後の請求などはないです。 - ・プリペイドカード
事前に現金をチャージして使うイメージです。チャージした範囲内の金額で利用することができます。
【3つのカードの発行方法】
- ・クレジットカード
発行に当たり、審査があります。「後払いにした金額を払えなくなる可能性はないか」ということを申し込み時に申請した情報から測定します。様々な会社が発行しているので、自分の好きなものを申し込みます。 - ・デビットカード
銀行口座を開設したときに無料でついてくることが多いです。基本は銀行口座とセットのものです。銀行口座を開設することが審査というようなイメージです。 - ・プリペイドカード
発行に当たり審査がないことが多いです。様々な会社が発行しているので、自分の好きなものを申し込みます。
【その他】
発行難易度は難しい方から、クレジットカード→デビットカード→プリペイドカードの順です。
これはそのまま「金融機関から求められる『信用度』の高さ(ランク)」を表しています。手元にお金がなくても買い物ができるクレジットカードが、最も高い信用を必要とします。
この信用度の順番通りに、ポイント還元や付帯している特典も充実していく仕組みになっています。特に一番上のクレジットカードは、入会時に高額なポイントがもらえる等のキャンペーンが行われることが多く、その特典を目当てにカードを複数枚所有するという人も多いです。
[決済会社とは何か VISA/Mastercard など]
「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード」にはかならずカードのどこかに、ロゴマークが記載されています。これが決済会社のマークです。 (正式には国際ブランドと呼びます)
決済会社は、世界中で決済のデータをやり取りする通信網を提供しています。ロゴマークがついているお店であれば、世界中どこでもそのカードを使って決済ができます。
カードを使って支払いができるのは、「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード」だから、ではなくて、厳密には「決済会社のマークがついているから」という理解の方が良いと思います。
この「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード」のロゴマークの決済会社は、世界に無数にあるわけではありません。
「世界7大国際ブランド」が現在メジャーな存在です。(26年 4月)
| 名称 | カタカナ読み | 企業の所属国 |
|---|---|---|
| VISA | ビザ | アメリカ |
| Mastercard | マスターカード | アメリカ |
| American Express | アメリカン・エキスプレス | アメリカ |
| Discover | ディスカバー | アメリカ |
| Diners Club | ダイナースクラブ | アメリカ |
| 銀聯 / UnionPay | ギンレン / ユニオンペイ | 中国 |
| JCB | ジェーシービー | 日本 |
このように種類がありますが、一般論として、世界中どこでも使いやすく「2強」と言えるのがVISAとMastercardです。このどちらかのロゴマークがついたカードを所有していれば日本国内において困ることはほとんどないと言えます。
※例えば、日本のコストコはMastercardと提携しているため意図的にVISAは使えない仕様になっています。稀にこのようなことがあるので、実務的にはVISAとMastercardで2枚持っておくというのが推奨される形と言えます。
【国際ブランドとカード発行会社】
クレジットカードの発行・利用に関わっているのは大きく分けて以下の2つの会社です。
- 国際ブランド(決済会社)
役割:決済データをやり取りするための通信網の提供。
具体例:VISA、Mastercardなど
特徴:あくまでシステムを提供するだけで、消費者に対して直接カードを発行したり、審査をしたりすることはありません。 - カード発行会社(イシュア)
役割:消費者の審査を行い、カードを印刷して発行し、毎月の利用代金を銀行口座から引き落とすなどを行います。ポイント還元もこの会社が行っています。
具体例:楽天カード、三井住友カード、エポスカード、イオンカード、クレディセゾン など
特徴:消費者が実際に契約している相手です。
つまり、VISAカード/Mastercard カード というものは存在しません。
国際ブランドの付いた~カードで決済をする、という構造です。
例)VISAブランドが付いた楽天カードで決済をする。
【クレジットカード使えます という表記】
店頭やレジ横などで「クレジットカード使えます」という表記がよくあります。
これはクレジットカードだけが使えるという意味ではないです。
上記の説明の通り、国際ブランドが付いているかが重要なので、国際ブランドがついていてそのお店もそれに対応していればデビットカード/プリペイドカードでも使えます。
どうしてクレジットカード使えますという表記をしているのか。
以下のような理由が考えられます。
- 広告の文字数を減らすため
看板やステッカーの限られたスペースに「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード使えます」と書くのは長すぎるため、最も代表的な「クレジットカード」を総称として使っています。 - 世間の認知度の問題
日本において歴史が古く、誰もが知っている言葉が「クレジットカード」だからです。 - デビットカード/プリペイドカードが「使えない決済(お店)」があるから
お店やサービスによっては「クレジットカードはOKだけど、デビットやプリペイドはNG」とシステムで弾く設定にしている場合があります。
以下のようなサービスではデビットカード/プリペイドカードが使えないことが多いです。
ガソリンスタンド / 月額のサブスクやスマホ代 / 機内販売 / 高速道路の料金所 / ホテルやレンタカーの決済 など
ガソリンスタンドのように「後から金額が決まる」もの、サブスクのように「毎月の確実な決済が必要」なもの、機内や高速道路といった「システムやスピード優先の理由で、クレジットカードの方が良い」もの
→具体的にはこういった理由です。
【実際のカード利用時の補足】 ※筆者の考えです
カードを使うときに、「VISAで」「Mastercardで」と伝える人が多いです。
これは正確で、間違っていないですが少し違和感があります。
飲食店で「何名ですか?」と聞かれて「人間1人です」と返しているような感じです。
お店側の端末操作では国際ブランドを選択することはなく、「クレジット」というボタンを押すだけということが現在では一般的です。
そのため、
お店の公式Webページや店頭のレジ横の表記などで国際ブランドの対応状況を確認する→実際の支払い時は「カードで」と伝える
こちらの方がスムーズではないかと考えます。
※補足
クレジットカードの番号(表面に印字されている14〜16桁の数字)には、世界共通のルールがあります。「最初の数字」を見るだけで、どの国際ブランドかが分かる仕組みになっています。
「4」から始まる = VISA
「5」から始まる = Mastercard ※2から始まるものも一部ある
「3」から始まる = JCB、アメックス、ダイナース
つまり、お店側の操作でクレジットを押す→客がカードを端末にセットする→自動的に国際ブランドと客のアカウント情報を読み込む
こういった構造です。
※補足
「VISAで」「Mastercardで」と大々的にCM等で言われていますが、これは単純に企業のマーケティング/ブランディング/プロモーションの側面が大きいと推測します。
一方で金融機関などの大手公式メディアでも「VISAで」「Mastercardで」と伝える、と案内されていることが多いです。これの理由の一つとしては「J-Debit(ジェイデビット)」の存在があると推測します。
日本には昔から、銀行のキャッシュカードをそのままレジに通す「J-Debit(ジェイデビット)」というシステムが存在します。もしお客さんがVISAデビットカードを出して単に「デビットで」と言ってしまうと、店員さんが勘違いして昔ながらの「J-Debit」のボタンを押してしまい、エラーが起きます。
そこでお客さんに「VISAで」と言わせることで、店員さんに間違いなく「クレジット」を選ばせ、決済を確実に通すという工夫をしているのではないかと考えられます。
同じように「カードで」と言うと、J-Debitのボタンを店員さんが押してしまうリスクがありますが、J-Debitのシェアは大きく低下しており、実用上は問題ないことが多いため「カードで」という伝え方で良いと考えています。(J-Debitを使いたいときは「J-Debit」でと伝える)
その他にも背景として様々な事情があり、そういった説明の表現をしていると思われます。
分かっていないからそうしている、あえて分かりにくくしている、ということではないのでその認識には注意が必要です。
こういった事情を踏まえ、「カードで」と伝えて、店員さんが困っていたら「クレジットです」と一言伝えるといいです。
つまり、その場でのレジでのやり取りを円滑にするために「VISAで」「Mastercardで」「クレジットで」と伝えることが案内されますが、それだと利用者側が全体像の理解をしにくい、 という整理です。
[国際ブランドについての補足]
カードの発行に係る関係会社は、国際ブランドとカード発行会社に分かれていて、国際ブランドは通信網を提供しているという話でした。
国際7大ブランドの内、VISA/Mastercard/銀聯(ユニオンペイ)はこの説明の通りですが、残りの4つのブランドについては国際ブランドでありながら直接カードを発行しています。
この国際ブランドが直接発行したカードを「プロパーカード」と呼びます。
JCBなどは、「自社で直接カードを発行するスタイル」と、「通信網を提供してカード発行会社がカードを発行するスタイル」の両方を行っているという整理です。
※VISA/Mastercard/銀聯(ユニオンペイ)はシェア率が巨大です。対して、残りの4ブランドはこの3ブランドと比較するとシェアが少ないです。これは、「自社で直接カードを発行して、独自のサービスを提供する部門」を作る戦略をとったため、という見方もできます。
【JCBの例】 ※筆者の考えです
カードは、多くの人にとって問題なく使えることが第一です。そうすると、世界/国内でシェアが大きいVISA/Mastercardのどちらか、又は両方を所有していればよく、ただ決済をする目的であればJCBを所有する意味があまりないです。
→ネガティブな側面
JCBは国際ブランドとしてのシステム手数料と、プロパーカード発行会社としての利益を2重で得ることができる状態にあります。「シェア率が低い」といっても日本国内でのJCBが使えるお店(加盟店)はかなり多いです。日本は世界的に見て、人口が多い方の国に当たります。そのため、収益の規模が少ないということはなく、浮いたコストを「利用者へのサービス還元」に回すなど、融通が利きやすいのではないかと推測します。加えて、日本に拠点を置いている企業なので、同じく日本で活動している企業と連携が取りやすいのではないかとも考えます。
→ポジティブな側面
上記の理由から、JCBは自由度の高い戦略をとっているのではないかと推測します。
例)ディズニー/ユニバーサルスタジオジャパンでの優遇、特定領域の高ポイント還元、QUICPayの開発と普及、メルカード(提携カード)
[信用という言葉]
「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード」では、クレジットカードが信用度が一番高いという説明をしました。
この「信用」という言葉は日常で使うニュアンスとは別物です。
「あの人は信用できる」という道徳的な意味合いとしてのものと、金融業界で使われるそれとでは意味が異なるということです。
この「信用」は以下の様な情報をもとに判定されます。
「年収/勤続年数/資産の有無/継続的に支払いがあるか/勤務先や雇用形態/居住環境/借り入れの有無」
信用という言葉、審査される項目、「通った/落ちた」というアクション
これらを並べると、まるで社会に認められた、もしくは、否定されたような認識を抱いてしまいがちですが、これは全く違います。
金融業界で使われる信用は、「お金の回収確率(貸し倒れしないか)」や「手数料や利益をもたらしてくれる潜在性」を表すための言葉です。
例えば、単純化するとこのようなイメージです。
信用スコアが高い=年収や資産がある
→サービスを多く使ってもらえる可能性があり、手数料が多く入る可能性がある。お金の回収確率も高い。
信用スコアが低い=年収や資産が少ない
→サービスを多く使う可能性は少なく、手数料が見込めない。お金が返ってこないリスクがある。
つまり、純粋に数字の話です。
金融系の審査を行う企業はこれらを企業ごとに一律化した基準で行い、統計的にリスクを抑える/収益を最大化する ということを行っています。
ただ、この一律化した基準だと、収益とリスクの両面で取りこぼしが発生するので融通が利かせられないか?という点が現在様々な企業が取り組んでいるポイントと思います。
単純にユーザーの需要や満足度という観点もあります。多様化する現代において機械的に算定される身分のような考え方は、疑念や悪い印象を抱く人も多いと思われます。
そういった人がどんどんと別サービスに移っていってしまいます。特に昨今は、異業種(IT企業など)や外資系企業の金融分野への参入がめざましいです。
JCBの項目で出た、「メルカード」はメルカリアプリの利用実績が信用情報に反映されるという独自仕様で、この話に関係する一例と言えます。
[多様な決済手段]
昨今はQRコード、電子マネーなど支払い方法が多様になっています。
しかし、そのどれもが、基本的には「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード」がベースと考えることができます。
以下が具体例です。
※カードからのチャージはクレジットカード以外でもできるかどうかはサービスに依ります。デビットカードでできることは多いです。
■交通系ICカード
- 具体例:Suica / PASMO / ICOCA
- 特徴:事前にチャージして使います。カードからのチャージが可能です。
■ QRコード決済
- 具体例: PayPay / 楽天ペイ / d払い / au PAY
- 特徴: 登録したカードから引き落とし、ということができます。例)QRコードで決済すると、登録したデビットカードから引き落とされる。
■ 流通系電子マネー
- 具体例: nanaco / WAON / 楽天Edy
- 特徴: 事前にチャージして使います。カードからのチャージが可能です。
■ 後払い型電子マネー
- 具体例: QUICPay / iD
- 特徴: カードを紐付けて使います。クレジットカードなら後払い、デビットカードなら即時引き落としといったように、紐付けたカードの仕組みがそのまま反映されます。後払い型という名称の括りですが、これは裏側の処理の話なのでユーザーにはあまり関係がないです。
■ スマートフォンウォレット
- 具体例: Apple Pay / Google Pay
- 特徴: スマホの中にカードを登録(格納)して、スマホをかざして支払う仕組みです。スマホで登録したカードはアカウントで同期され、Webサイト上でも決済が可能になります。
■ オンライン決済(デジタルウォレット)
- 具体例: PayPal / Amazon Pay / Apple Pay / Google Pay
- 特徴: 主にネットショッピングで使います。アカウントにカードを登録(格納)しておき、そこから支払う仕組みです。お店側に直接カード番号を渡さずに決済するための「中継役」として機能します。
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# 〇1. 決済と信用
# [現金以外の決済の全体像]
現金で支払う以外にはどのような決済方法があるのか。
昨今は、交通系ICカード/電子マネー/QRコード決済/プラットフォーム決済 など様々な支払い方法があり、複雑になっています。
しかし、ベースとなるのは「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード」です。
まずはこれらがどういうものなのかというのを理解することが大事です。これを理解すると、全体像が理解しやすいです。
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# [クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード とは何か 関係性]
## 【意味】
クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード
これらは英語の意味そのままです。
<hr style="border: none; border-top: 1px dashed #333;" />
・クレジットカード = Credit Card
※「Credit = 信用」
意訳すると"信用のカード"です。日本語で分かりやすく表現すると、"後払いカード"です。
・デビットカード = Debit Card
※「Debit = 引き落とし」
意訳すると"引き落としのカード"です。日本語で分かりやすく表現すると、"即時引き落としカード"です。
・プリペイドカード=Prepaid Card
※「Pre = 事前に、Paid = 支払われた」
意訳すると"事前に支払われたカード"です。日本語で分かりやすく表現すると、"前払いカード"です。
<hr style="border: none; border-top: 1px dashed #333;" />
用語を覚えるのではなく、イメージで考えるようにすると良いです。
## 【具体的な利用イメージ】
・クレジットカード
→利用した支払いの請求が来月に行われます。細かくは"締め日"と"請求日"に分けられます。締め日は計算期間の締め切りです。
例)月末締めで請求日が20日の場合:
今月の1日~最終日までに使った金額が来月の20日にまとめて請求されます。
・デビットカード
→利用した瞬間に、紐づけている銀行口座から引き落とされます。その場で支払いが完了するので、後の請求などはないです。
・プリペイドカード
→事前に現金をチャージして使うイメージです。チャージした範囲内の金額で利用することができます。
## 【3つのカードの発行方法】
・クレジットカード
→発行に当たり、審査があります。「後払いにした金額を払えなくなる可能性はないか」ということを申し込み時に申請した情報から測定します。様々な会社が発行しているので、自分の好きなものを申し込みます。
・デビットカード
→銀行口座を開設したときに無料でついてくることが多いです。基本は銀行口座とセットのものです。銀行口座を開設することが審査というようなイメージです。
・プリペイドカード
→発行に当たり審査がないことが多いです。様々な会社が発行しているので、自分の好きなものを申し込みます。
## 【その他】
発行難易度は難しい方から、クレジットカード→デビットカード→プリペイドカードの順です。
これはそのまま「金融機関から求められる『信用度』の高さ(ランク)」を表しています。手元にお金がなくても買い物ができるクレジットカードが、最も高い信用を必要とします。
この信用度の順番通りに、ポイント還元や付帯している特典も充実していく仕組みになっています。特に一番上のクレジットカードは、入会時に高額なポイントがもらえる等のキャンペーンが行われることが多く、その特典を目当てにカードを複数枚所有するという人も多いです。
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# [決済会社とは何か VISA/Mastercard など]
「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード」にはかならずカードのどこかに、ロゴマークが記載されています。これが決済会社のマークです。 (正式には国際ブランドと呼びます)
決済会社は、世界中で決済のデータをやり取りする通信網を提供しています。ロゴマークがついているお店であれば、世界中どこでもそのカードを使って決済ができます。
カードを使って支払いができるのは、「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード」だから、ではなくて、厳密には「決済会社のマークがついているから」という理解の方が良いと思います。
この「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード」のロゴマークの決済会社は、世界に無数にあるわけではありません。
「世界7大国際ブランド」が現在メジャーな存在です。(26年 4月)
<hr style="border: none; border-top: 1px dashed #333;" />
| 名称 | カタカナ読み | 企業の所属国 |
| :--------------- | :------------ | :----- |
| VISA | ビザ | アメリカ |
| Mastercard | マスターカード | アメリカ |
| American Express | アメリカン・エキスプレス | アメリカ |
| Discover | ディスカバー | アメリカ |
| Diners Club | ダイナースクラブ | アメリカ |
| 銀聯 / UnionPay | ギンレン / ユニオンペイ | 中国 |
| JCB | ジェーシービー | 日本 |
<hr style="border: none; border-top: 1px dashed #333;" />
このように種類がありますが、一般論として、世界中どこでも使いやすく「2強」と言えるのがVISAとMastercardです。このどちらかのロゴマークがついたカードを所有していれば日本国内において困ることはほとんどないと言えます。
※例えば、日本のコストコはMastercardと提携しているため意図的にVISAは使えない仕様になっています。稀にこのようなことがあるので、実務的にはVISAとMastercardで2枚持っておくというのが推奨される形と言えます。
## 【国際ブランドとカード発行会社】
クレジットカードの発行・利用に関わっているのは大きく分けて以下の2つの会社です。
1.国際ブランド(決済会社)
役割:決済データをやり取りするための通信網の提供。
具体例:VISA、Mastercardなど
特徴:あくまでシステムを提供するだけで、消費者に対して直接カードを発行したり、審査をしたりすることはありません。
2.カード発行会社(イシュア)
役割:消費者の審査を行い、カードを印刷して発行し、毎月の利用代金を銀行口座から引き落とすなどを行います。ポイント還元もこの会社が行っています。
具体例:楽天カード、三井住友カード、エポスカード、イオンカード、クレディセゾン など
特徴:消費者が実際に契約している相手です。
つまり、VISAカード/Mastercard カード というものは存在しません。
国際ブランドの付いた~カードで決済をする、という構造です。
例)VISAブランドが付いた楽天カードで決済をする。
## 【クレジットカード使えます という表記】
店頭やレジ横などで「クレジットカード使えます」という表記がよくあります。
これはクレジットカードだけが使えるという意味ではないです。
上記の説明の通り、国際ブランドが付いているかが重要なので、国際ブランドがついていてそのお店もそれに対応していればデビットカード/プリペイドカードでも使えます。
どうしてクレジットカード使えますという表記をしているのか。
以下のような理由が考えられます。
1.広告の文字数を減らすため
看板やステッカーの限られたスペースに「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード使えます」と書くのは長すぎるため、最も代表的な「クレジットカード」を総称として使っています。
2.世間の認知度の問題
日本において歴史が古く、誰もが知っている言葉が「クレジットカード」だからです。
3.デビットカード/プリペイドカードが「使えない決済(お店)」があるから
お店やサービスによっては「クレジットカードはOKだけど、デビットやプリペイドはNG」とシステムで弾く設定にしている場合があります。
以下のようなサービスではデビットカード/プリペイドカードが使えないことが多いです。
ガソリンスタンド / 月額のサブスクやスマホ代 / 機内販売 / 高速道路の料金所 / ホテルやレンタカーの決済 など
ガソリンスタンドのように「後から金額が決まる」もの、サブスクのように「毎月の確実な決済が必要」なもの、機内や高速道路といった「システムやスピード優先の理由で、クレジットカードの方が良い」もの
→具体的にはこういった理由です。
## 【実際のカード利用時の補足】 ※筆者の考えです
カードを使うときに、「VISAで」「Mastercardで」と伝える人が多いです。
これは正確で、間違っていないですが少し違和感があります。
飲食店で「何名ですか?」と聞かれて「人間1人です」と返しているような感じです。
お店側の端末操作では国際ブランドを選択することはなく、「クレジット」というボタンを押すだけということが現在では一般的です。
そのため、
お店の公式Webページや店頭のレジ横の表記などで国際ブランドの対応状況を確認する→実際の支払い時は「カードで」と伝える
こちらの方がスムーズではないかと考えます。
<hr style="border: none; border-top: 1px dashed #333;" />
※補足
クレジットカードの番号(表面に印字されている14〜16桁の数字)には、世界共通のルールがあります。「最初の数字」を見るだけで、どの国際ブランドかが分かる仕組みになっています。
「4」から始まる = VISA
「5」から始まる = Mastercard ※2から始まるものも一部ある
「3」から始まる = JCB、アメックス、ダイナース
つまり、お店側の操作でクレジットを押す→客がカードを端末にセットする→自動的に国際ブランドと客のアカウント情報を読み込む
こういった構造です。
<hr style="border: none; border-top: 1px dashed #333;" />
※補足
「VISAで」「Mastercardで」と大々的にCM等で言われていますが、これは単純に企業のマーケティング/ブランディング/プロモーションの側面が大きいと推測します。
一方で金融機関などの大手公式メディアでも「VISAで」「Mastercardで」と伝える、と案内されていることが多いです。これの理由の一つとしては「J-Debit(ジェイデビット)」の存在があると推測します。
日本には昔から、銀行のキャッシュカードをそのままレジに通す「J-Debit(ジェイデビット)」というシステムが存在します。もしお客さんがVISAデビットカードを出して単に「デビットで」と言ってしまうと、店員さんが勘違いして昔ながらの「J-Debit」のボタンを押してしまい、エラーが起きます。
そこでお客さんに「VISAで」と言わせることで、店員さんに間違いなく「クレジット」を選ばせ、決済を確実に通すという工夫をしているのではないかと考えられます。
同じように「カードで」と言うと、J-Debitのボタンを店員さんが押してしまうリスクがありますが、J-Debitのシェアは大きく低下しており、実用上は問題ないことが多いため「カードで」という伝え方で良いと考えています。(J-Debitを使いたいときは「J-Debit」でと伝える)
その他にも背景として様々な事情があり、そういった説明の表現をしていると思われます。
分かっていないからそうしている、あえて分かりにくくしている、ということではないのでその認識には注意が必要です。
こういった事情を踏まえ、「カードで」と伝えて、店員さんが困っていたら「クレジットです」と一言伝えるといいです。
つまり、その場でのレジでのやり取りを円滑にするために「VISAで」「Mastercardで」「クレジットで」と伝えることが案内されますが、それだと利用者側が全体像の理解をしにくい、 という整理です。
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# [国際ブランドについての補足]
カードの発行に係る関係会社は、国際ブランドとカード発行会社に分かれていて、国際ブランドは通信網を提供しているという話でした。
国際7大ブランドの内、VISA/Mastercard/銀聯(ユニオンペイ)はこの説明の通りですが、残りの4つのブランドについては国際ブランドでありながら直接カードを発行しています。
この国際ブランドが直接発行したカードを「プロパーカード」と呼びます。
JCBなどは、「自社で直接カードを発行するスタイル」と、「通信網を提供してカード発行会社がカードを発行するスタイル」の両方を行っているという整理です。
※VISA/Mastercard/銀聯(ユニオンペイ)はシェア率が巨大です。対して、残りの4ブランドはこの3ブランドと比較するとシェアが少ないです。これは、「自社で直接カードを発行して、独自のサービスを提供する部門」を作る戦略をとったため、という見方もできます。
## 【JCBの例】 ※筆者の考えです
カードは、多くの人にとって問題なく使えることが第一です。そうすると、世界/国内でシェアが大きいVISA/Mastercardのどちらか、又は両方を所有していればよく、ただ決済をする目的であればJCBを所有する意味があまりないです。
→ネガティブな側面
JCBは国際ブランドとしてのシステム手数料と、プロパーカード発行会社としての利益を2重で得ることができる状態にあります。「シェア率が低い」といっても日本国内でのJCBが使えるお店(加盟店)はかなり多いです。日本は世界的に見て、人口が多い方の国に当たります。そのため、収益の規模が少ないということはなく、浮いたコストを「利用者へのサービス還元」に回すなど、融通が利きやすいのではないかと推測します。加えて、日本に拠点を置いている企業なので、同じく日本で活動している企業と連携が取りやすいのではないかとも考えます。
→ポジティブな側面
上記の理由から、JCBは自由度の高い戦略をとっているのではないかと推測します。
例)ディズニー/ユニバーサルスタジオジャパンでの優遇、特定領域の高ポイント還元、QUICPayの開発と普及、メルカード(提携カード)
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# [信用という言葉]
「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード」では、クレジットカードが信用度が一番高いという説明をしました。
この「信用」という言葉は日常で使うニュアンスとは別物です。
「あの人は信用できる」という道徳的な意味合いとしてのものと、金融業界で使われるそれとでは意味が異なるということです。
この「信用」は以下の様な情報をもとに判定されます。
「年収/勤続年数/資産の有無/継続的に支払いがあるか/勤務先や雇用形態/居住環境/借り入れの有無」
信用という言葉、審査される項目、「通った/落ちた」というアクション
これらを並べると、まるで社会に認められた、もしくは、否定されたような認識を抱いてしまいがちですが、これは全く違います。
金融業界で使われる信用は、「お金の回収確率(貸し倒れしないか)」や「手数料や利益をもたらしてくれる潜在性」を表すための言葉です。
例えば、単純化するとこのようなイメージです。
信用スコアが高い=年収や資産がある
→サービスを多く使ってもらえる可能性があり、手数料が多く入る可能性がある。お金の回収確率も高い。
信用スコアが低い=年収や資産が少ない
→サービスを多く使う可能性は少なく、手数料が見込めない。お金が返ってこないリスクがある。
つまり、純粋に数字の話です。
金融系の審査を行う企業はこれらを企業ごとに一律化した基準で行い、統計的にリスクを抑える/収益を最大化する ということを行っています。
ただ、この一律化した基準だと、収益とリスクの両面で取りこぼしが発生するので融通が利かせられないか?という点が現在様々な企業が取り組んでいるポイントと思います。
単純にユーザーの需要や満足度という観点もあります。多様化する現代において機械的に算定される身分のような考え方は、疑念や悪い印象を抱く人も多いと思われます。
そういった人がどんどんと別サービスに移っていってしまいます。特に昨今は、異業種(IT企業など)や外資系企業の金融分野への参入がめざましいです。
JCBの項目で出た、「メルカード」はメルカリアプリの利用実績が信用情報に反映されるという独自仕様で、この話に関係する一例と言えます。
---
# [多様な決済手段]
昨今はQRコード、電子マネーなど支払い方法が多様になっています。
しかし、そのどれもが、基本的には「クレジットカード/デビットカード/プリペイドカード」がベースと考えることができます。
以下が具体例です。
※カードからのチャージはクレジットカード以外でもできるかどうかはサービスに依ります。デビットカードでできることは多いです。
<hr style="border: none; border-top: 1px dashed #333;" />
■交通系ICカード
- 具体例:Suica / PASMO / ICOCA
- 特徴:事前にチャージして使います。カードからのチャージが可能です。
■ QRコード決済
- 具体例: PayPay / 楽天ペイ / d払い / au PAY
- 特徴: 登録したカードから引き落とし、ということができます。例)QRコードで決済すると、登録したデビットカードから引き落とされる。
■ 流通系電子マネー
- 具体例: nanaco / WAON / 楽天Edy
- 特徴: 事前にチャージして使います。カードからのチャージが可能です。
■ 後払い型電子マネー
- 具体例: QUICPay / iD
- 特徴: カードを紐付けて使います。クレジットカードなら後払い、デビットカードなら即時引き落としといったように、紐付けたカードの仕組みがそのまま反映されます。後払い型という名称の括りですが、これは裏側の処理の話なのでユーザーにはあまり関係がないです。
■ スマートフォンウォレット
- 具体例: Apple Pay / Google Pay
- 特徴: スマホの中にカードを登録(格納)して、スマホをかざして支払う仕組みです。スマホで登録したカードはアカウントで同期され、Webサイト上でも決済が可能になります。
■ オンライン決済(デジタルウォレット)
- 具体例: PayPal / Amazon Pay / Apple Pay / Google Pay
- 特徴: 主にネットショッピングで使います。アカウントにカードを登録(格納)しておき、そこから支払う仕組みです。お店側に直接カード番号を渡さずに決済するための「中継役」として機能します。
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